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 再生ネットのこの一年の活動は、これに参加する一人一人の思いは様々であったけれど、何とかして「ふるさと銀河線を残したい」という一点で、260名の会員と10月の総決起大会では800名を超える参加者を得ることができました。
 しかし、4月21日の車両運行の終了と6月24日の会社解散によって、「ふるさと銀河線を残す」ことは不可能となりました。これからの活動は、何故「ふるさと銀河線を残したい」と思ったのか、その思いにたち返って進めなくてはなりません。そして、今までは、「残すこと」、「廃止をやめさせること」でしたが、これからは「新しく作ること」「復活させること」ですから、今までとは比較にならないほど力のいる仕事になりますし、今まで以上に多くの人々の理解と協力が必要になります。
 様々ある「ふるさと銀河線を残したい」という気持ちの中でも、多くの人に共通するものは、@生活の足を守りたい、A過疎化をくい止めたい、B環境を守りたい、ということだと思います。それでは、ふるさと銀河線を残そうとしてきた私たちが、そのためにこれからやらなければならないことは何でしょうか。


観光鉄道とDMVによるふるさと銀河線復活を目指します。

ふるさと銀河線の運行停止以来、これに変わって代替バスが運行されています。当初こそ沿線高校生を中心に朝夕の高い乗車率が見られましたが、日増しに乗車率は減少を続けています。今後の逸走率の推移、とりわけ冬場の状況を考えると、バスの減便や運行を止める区間が出てくることも予想されます。私たちは今後のバス運行の推移を注意深く監視し、代替バスを安定的に運行されるための取り組みを行わなくてはなりません。
 さらに、沿線の鉄道観光開発を推進し、これと連動することによって、DMVによる生活路線復活を目指します。生活路線としてのふるさと銀河線を復活させるためには、観光鉄道としてのふるさと銀河線の復活が大きな条件となります。レールが残り、観光鉄道が運行されるのと併行してDMVの運行をめざします。
 沿線町村の過疎化をくい止める最大の方策として、私たちは観光鉄道としてのふるさと銀河線復活を目指します。
 私たちが一貫して注目し、提言してきたことですが、世界遺産登録後の知床観光が道東観光に大きな変化をもたらしています。知床観光の効果が、十勝川温泉にも及んでいることは以前から報道されていましたが、北見市内の宿泊者数が前年比20%近く増えていることが最近の報道で明らかになりました。知床観光と十勝観光を結ぶツアーモデルとしてふるさと銀河線ルートを作る可能性は一層高まっています。陸別では町と商工会が一体となって、動態保存・鉄道公園事業を決定しました。しかし、この事業が成功するかどうかは知床観光、十勝観光の観光客をいかに動員できるかにかかっています。知床→陸別→十勝のあるいは十勝→陸別→知床の観光ルートを作ること、しかもそれをエコツーリズム、スローツーリズムあるいはアグリツーリズムの考え方で作り上げることによって、沿線市町村の過疎化阻止、地域の再生が可能になります。道東観光の最大の課題は個人旅行客の取り込みです。斜里町の提唱する「知床ルール」は大型バスとレンタカーによる通過型の観光を拒否します。オホーツク観光連盟のアンケート調査はその回答者の七割が個人旅行客であるとしています。
 現在、訓子府町や置戸町においてふるさと銀河線跡地利用に関する住民説明会やアイデアが募集され、上常呂地区においても跡地活用に向けた住民の取り組みが始まっています。今後は各市町村において跡地利用の協議会が作られると思います。トロッコ列車、馬車鉄道、レストラン列車等その形態は様々ですが、私たちは各市町村の跡地利用計画として、陸別町の鉄道公園につなげる観光鉄道計画を採用させることを目指します。


町づくり、地域再生の応援をします。

 陸別町の鉄道公園がそうであるように、ふるさと銀河線跡地を観光鉄道としてどのように利用していくかは、各市町村の行政及び住民自身が主体となって発案され、協議され、計画されなくてはなりません。そのためには商工会や観光協会はじめ、様々な町作りグループ等との交流や意見交換を進めること、また地域住民の賛同を得るために住民に説明をし納得をしてもらう取り組みが必要です。
 つまり、私たちネットワークの会員はそれぞれの町づくりグループの一員として活動しなければなりません。私たちネットワークはそうした市町村ごとの町づくりグループの連合体として、情報収集、調査活動、政策研究を進め、資料提供、政策提言と連絡調整を行います。いわば市町村ごとの主体的取り組みに対する応援団として機能します。


DMV運行会社の募集設立を目指します。

各市町村の観光鉄道運行を知床⇔陸別⇔十勝の観光ルートとしてつないでいくためには、各市町村の枠を超えた共同計画が必要になります。私たちネットワークはそうした共同計画を立案提言するとともに、各市町村連携の促進役を担います。
 また、観光鉄道運行にかかる市町村連携が実現した場合には、私たちネットワークはDMV運行を担う「DMV運行会社」の募集設立を目指しその発起役となります。