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【報告】衆議院議員松木けんこう氏、農林水産委員会でふるさと銀河線問題を質問


 衆議院議員松木けんこう氏が本日(5月17日)の衆議院農林水産委員会で、廃線後のふるさと銀河線問題について質問した。松木議員は6月中にも鉄路撤去を決定しようとする動きを批判し、以下の質問を行っている。(以下は衆議院インターネット中継からの抄録)

◎中川農水大臣、代替バスに「地元関係者はいろんな不便を感じていると、承知。」
◎国交省、「鉄道の観光資源としての可能性は十分」、廃線鉄道の観光活用へ「地元の方々の十分な話し合い」を期待。
◎DMV開発、JR北海道は18年中にも完了の意気込み。


松木けんこう
 北海道における鉄道というのはこの広大な土地の中で、いつでも大きな位置づけをもっているわけであります。私の地元のふるさと銀河線がこの4月に廃線が決定してしまったのですけれども、鉄道の廃線は農村の過疎化に拍車をかけるのではないかという危惧を私はしております。鉄道のない町がどうやって人が定着していくか、そして農業の経営安定とか担い手ということにも大いに関係してくると思っているわけです。農林業振興の観点から、鉄道事業をどのように評価するのかについてお答えをいただきたい。

中川昭一農林水産大臣
 松木委員のところも私のところも、お隣の選挙区であり、それを結んでいたのがふるさと銀河線、それが廃止されて私もさびしい思いをしているわけです。自動車専用道路ができるなど夢もあるわけですが、しかし、通学あるいは通院されている方にとっては、やはりバス代替というのは、二、三日前にも聞きましたけれども、やっぱりスタートしてご苦労されているということを聞いております。(以下略)

松木けんこう
 第三セクターである北海道ちほく高原鉄道はですね、いま清算、鉄路の排除などの財産処分をしようとしているのですけれども、ふるさと銀河線の廃止によってですね、生活交通の足がなくなる、公衆の利便がかなり失われるという風に思っておりますけれども、大臣もやはりそのようにお考えかどうかお答えをいただきたい。

中川昭一農林水産大臣
 つい最近も地元の関係者のお話を聞くと、特に代替バスになった直後であるということも含めましてですね、寂しさもあり、また実質的にもですね、いろんな不便を現時点で感じているというようなご発言がずいぶん多かったということを承知しております。

松木けんこう
 JR北海道では、DMVというシステムが考えられていて、実用化に向けた取り組みがなされています。今後高齢者の人口比率が高まることが予想されておりますよね、そうであれば、交通弱者ということを考えますとですね、この鉄路を残して、このDMVを走らせることもいいのではないかと思っているのですけども、DMVのモデル線区として置いておくことも可能性としてはないのかなと、思っております。現在のこのDMVの開発状況についてご説明をいただきたい。

松野国土交通省大臣官房審議官
   DMVは比較的輸送量の小さいところに導入しようということで進めているものでございまして、地域交通ネットワークの維持や公共交通の活性化に資する新しい地域の足として、期待されているものでございます。現在は、17年7月にJR北海道がプロとタイプ車を完成いたしまして、各種走行性能試験を行っております。JR北海道においては18年度中にも、長期の走行ができるような、安定的な走行ができるというような確認をしつつですね、開発を終えていきたいという意気込みを持っておりまして、私ども国土交通省としても、可能な限り早期にこれが実用化できるよう、制度面や技術面など対応につきましてバックアップして参りたいと考えているところでございます。

松木けんこう
 大自然の中を走る地方鉄道はそれだけで重要な観光資源になると思っています。鉄道を活用して外国人観光客を移動させることも想定されているわけですけれど、観光資源、観光手段としての可能性について、鉄道のことをお話いただきたい。

柴田国土交通省大臣官房総合観光政策審議官
   北海道では、富良野美瑛ノロッコ号が、先ほど先生からご指摘にあった台湾とか韓国等の観光客にも大変人気があるという風に承知しております。この様に鉄道につきましても、その独自性や周りの景観、自然環境との組み合わせ、また何らかの形で体験型の施設とするなどによりまして、魅力を高める工夫によりまして、今後、外国人の観光客に取っても観光資源としての可能性は十分にあるものと考えております。

松木けんこう
 そうであるならば、このふるさと銀河線は、残しておいたほうがいい、31億もかけて、今すぐ取ることはないなと、こういう風に思いませんか。

柴田国土交通省大臣官房総合観光政策審議官
 廃線になった鉄道の観光への活用ということでございますが、線路とか敷地をどのように活用するかということをですね、所有者を中心といたしまして、地元の方々そういう方々が十分にお話し合いをしていただきまして、その中で考えていっていただくことであるかなと思っております。これを観光資源として活用する場合には、先ほどちょっと例で申し上げましたが、トロッコに活用するような事例とか、また鉄道の跡地をオープンスペースとしていろんなイベントに活用すると、いろんなことが考えられると思います。現場の状況について十分承知しておらないので、先生がおっしゃる線をどのように活用すべきかについては、皆さんでよく話し合っていただいて、その中でまたご相談にのれる部分もあるのかなと考えております。

 

※ この審議の模様は「衆議院インターネット審議中継 ビデオライブラリ」からご覧いただくことができます。
※ 松木けんこう議員はこの委員会質問以外にも5月11日付、早急な鉄路撤去を必要とする法的根拠等に関する質問主意書を提出しています。回答は早ければ今週中にも出る予定です。